「言葉の技術:思いつくものではない。考えるものである。 磯島拓矢 」

2021年7月6日 9点

読書要約

これを読んで、少しでもコピーライティングを上手くなるためのコツを掴みたい。なるべく、成長曲線を上げる。

写経の仕方の勉強になる。

筆者(電通コピーライター)の考え方:人に伝わる言葉を書くには、深く深く考える。そうすれば、人に届く言葉が出てくるから。

僕らは、素晴らしい考えが急にひらめくほど天才ではない。第一印象が常に正しいほど聡明ではない。だから、僕たちの思いつきから発せられた言葉は届かない。思いつきで書かれた言葉は読者の心に残らない。

だから、人よりもたくさん「考える」こと。深く考えることで、広告を見た人が第一印象や思いつきでは届かない情報を伝えることができる。

 

1章〜伝わらない言葉たち〜

伝わる言葉について述べる前に、伝わらない言葉について述べた章。言葉が伝わらない理由は、何を伝えるべきかを考えていないから。インタビューの受け答えや、タテマエの挨拶がなぜ伝わらないのか。これは、言葉が下手だからではなく、何も考えていないから。

じっくり考えられたものの方こそ、より伝わるものである。

 

2章〜考えられた言葉とは何か〜

考えられた言葉とは、具体的な言葉である。「楽しかった」「有意義だった」「精一杯頑張る」これらはよく触れる言葉だが、主語や目的語がない。だから、相手に何も伝わらない。社交辞令で終わってしまう。

みんなに伝わるようにすると、文章が均質化してしまうのはあたりまえ。だから、「あの人に」とターゲットを設定する。そうしたら、文章が一般でなくなる分、肯定や批判が生まれる。でも、それは相手に「伝わっている」ということ。

そうやって、一歩深く考えて出てきた言葉こそ、アイデアと呼べるものであり、真に会社のためになるものである。

 

3章〜考えを深めるとはどういうことか〜

考えを深めるとは、第一印象や気持ちを深堀りするということ。

第一印象や気持ちというのは、自分のオリジナルだから、大切にするべき。

そして、それを相手に伝えるなら、もう一歩踏み込んで、「自分がなぜこう感じたのか?」ということを言語化することが重要。

 

4章〜考えを深めるための4つの扉〜

「商品・企業」「ターゲット」「競合」「時代・社会」の4つ。

「商品・企業」・・・「この商品は何なのか」「この企業は何なのか」という再定義を試みる。ひとつの商品やひとつの企業にも無数の意味が存在する。課題を真正面から捉えることで、自分のオリジナルの「考え=言葉」を見つける第一歩となる。

「ターゲット」・・・自分が誰にメッセージしたいのか、つまり受け手のことを考える。(自分が)言いたいことより、(相手が)言われたいことを考える。

「競合」・・・ライバルを考える。つまり、「比較」の概念を持ち込む。今の時代、競合は色々なものになっているから、思いがけないライバルの設定から、思いがけないアイデアが浮かぶこともある。

「時代・社会」・・・時代・社会の空気感を知る。合わせるという意味ではなく、世の中の流れを把握するということ。世間の「空気感」を言語化することで、共感を得ることができる。

 

5章〜4つの扉から生まれる言葉たち〜

電通の社員が書いたコピーを例に、4つの扉から生まれる言葉を紹介した章。ここでは、紹介するだけでなく、そのコピーが生まれるに至った具体的な筋道・プロセスを書いている。書いた人の思考プロセスを辿ることで、再現性が生まれる。写経するときには、意識したいポイント。

 

6章〜さらに考えを深めるために〜

言葉に定着させる時にできる思考の深め方を2つ紹介。

エピソードと普遍の往復(具体と抽象の言い換え)

これをすることで、より本質に迫ったり、人々の気持ちに寄り添ったりしながら、自分が本当に伝えたいことは何か、考えることができる。

自分はこの言葉で何をしたいのか

「宣言する」「提案する」「描写する」「挑発する」これらを、コピーを書くときに考える。どれを選ぶかは、内容に合ったものを選ぶ。これを考えることで、相手により伝わりやすいものになる。

 

7章〜「考えを深める」ことを邪魔するもの〜

考えを深めようとするとき、邪魔するものがある。それに縛れないような「心構え」を得るための章。

「いいこと言おう」の誘惑。いいことを言おうとすると、どうしても絵空事でタテマエになってしまうので、共感されない。綺麗なことを書こうとせず、ホントのことを伝える。ホントのことが共感を生み、納得に繋がる。

「ぶれない」ことへの固執。人は、以前の自分との一貫性を求めてしまう。それを「ぶれない」こととして称賛する。トップの人こそ、常に自由に、最新の情報をもとに、目の前の課題に対して「ベストの判断」をしている。考えを広げたり深めたりした結果、より正しい何かが見つかったら、堂々と変わろう。

 

8章〜「おわりに」の前に〜

時代・社会の扉から「今という時代(震災を経験した後の)」についての考察を書いた章。

感情的な言葉より、正確な言葉が求められる。現代では、色んな人が発言できる(匿名でも可能)ので、感情的な言葉で溢れる。感情に訴えようとする言葉はどうしても尖っていく。でも、今本当に必要なのは、現状を把握する正確な言葉、限りなく情報に近い言葉。

人に訴える言葉より、自分を律する言葉。感情的な言葉のときのように、主語が複数になると、述語が暴走する。なので、「家族や友人に気持ちを伝える道具であり、自分の心を律するものであり、用語を厳しく定義した契約書の文言であり、哲学や信仰の拠り所である」言葉を大切にした方がよい。

 

言葉を使う目的は、「いい関係」をつくるため。コミュニケーションの主体は、送り手ではなく、受け手である。「お互いに関係性をつくる」ことが、一番大切。

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